「好きなの着ていいよ」が引き起こす悲劇。妻のドレス費用で揉めないための事前ルール
結婚式準備において、新郎が放ちがちな最大の地雷ワードがあります。
「一生に一度なんだから、お金のことは気にせず、一番好きなドレスを着ていいよ」
愛する妻への優しさと男気にあふれた素晴らしい言葉です。しかし、これが後々、夫婦間に修復不可能な亀裂を生む原因になります。 なぜなら、ドレスショップにおける「一番好きなドレス」は、あなたの想像を遥かに超える金額だからです。
予算上限なしのドレス選びは「白紙の小切手」を渡すのと同じ
式場でもらった初期見積もりには「ウェディングドレス:20万円」と書かれていたとします。 これを見て、「まあ、少し予算オーバーしても30万くらいだろう」とタカをくくってはいけません。
いざドレスショップに行くと、そこには海外の有名デザイナーが手がけた40万円、50万円というドレスがズラリと並んでいます。そして、高価なドレスほど繊細で美しく、試着した妻の心を一瞬で奪います。
一度50万円のドレスの美しさを知ってしまった妻に、「やっぱり予算がないから20万円のドレスにしてくれ」と後から伝えるのは不可能です。妻は「好きなの着ていいって言ったのに!」と激怒し、一生消えないしこりを残します。
ショップに行く前に「予算の上限と代替案」を合意しろ
この悲劇を防ぐためには、ドレスショップの予約を入れる前に、家の中で冷静な「お金の会議」を開く必要があります。
ルール1:明確な上限金額を設定する
「ウェディングドレスとカラードレス(お色直し)の合計で、〇〇万円まで」と、絶対に譲れない上限を二人で合意してください。 この数字があることで、ショップの店員さんにも「〇〇万円以下のドレスだけを見せてください」と最初から指定でき、無用な誘惑を断ち切ることができます。
ルール2:予算を超えた場合の「代替案(トレードオフ)」を決める
もし、どうしても予算を10万円オーバーする運命のドレスに出会ってしまった場合。 「それを着てもいいけれど、代わりに料理のランクを一つ下げるか、動画を外注して費用を浮かせよう」というルールを事前に決めておきます。 結婚式の予算はゼロサムゲームです。「何かを足すなら、何かを削る」という論理的なトレードオフを新郎が管理することで、予算の爆発を防ぐことができます。
試着に同行した新郎の正しい立ち回り
ドレスの試着には必ず同行してください。 妻が予算オーバーの豪華なドレスを着て出てきた時、「綺麗だね! それにしよう!」と無責任に褒めちぎってはいけません。
「すごく綺麗だけど、僕たちが目指しているアットホームな式の雰囲気には、少し派手すぎるかもしれないね。さっき着たシンプルなドレスの方が、君の魅力が引き立っていたよ」
このように、「金額が高いからダメ」ではなく「式のコンセプトに合わないから」という理由で、予算内のドレスへとさりげなく誘導するのが、新郎の高度な交渉術です。
お金のシビアな話は、試着室ではなく家のリビングで終わらせておくのが鉄則です。